Miki’s Essay 鈴木みきのカナダのお山へGO! 第48回

最終回

(photo:Jun Yanagisawa, Shinichi Yajima)

約2年、48回に渡って書かせていただいていたこのエッセイも今回で最終回を迎えます。
16年前のカナダの旅で山に目覚めた私にとって、カナダは世界中で特別な場所です。もし、あの時にカナダに行く勇気がなかったら今の私がないからです。
初めての印象は「大きい! 広い!」でした。関東地方で育った私には遮るもののない大平原や、海のように広い湖や森が衝撃的でした。長距離バスで一晩走っても同じ州にいることや、町から町が遠いこと。カナダでは特にめずらしくもないことにいちいち感動しました。「なんて東京って小さいんだろう? なんて世界は広いのだろう?」

そして14年後、私は再びこのエッセイの取材でカナダの地を踏みました。2011年はバンクーバー、ウィスラー、バンクーバー島とBC州の西側へ、2012年はカナディアン・ロッキーのヨーホー国立公園とクートニー国立公園、そして内陸部のオカナガン地方を訪ねました。それぞれに魅力があって一言で語るのは難しいので、それぞれに「鈴木みきのおすすめの遊び方」を紹介して、最終回にしたいと思います。
カナダに行きたいけどどこに行こうと迷われたら参考に。きっとあなたに合う旅のスタイルが見つかるはず!

[バンクーバー]

バンクーバーは日本でいうなら東京のような大都市ですが、海にはオットセイが日向ぼっこし、森には巨木が立ち並びます。日本からいちばん近いカナダの玄関口になるので、短期間で手軽に自然を満喫できます。そんな自然豊かな大都市バンクーバーの最大の魅力は「ライフスタイル」! 都会的な暮らしとアウトドアがいい具合に融合しています。
過ごし方のおすすめは、朝は海を見ながらヨガ、もしくはジョギングをしてホテルでブレックファスト、ダウンタウンのデリでオーガニックランチを調達し近郊のハイキングに出かける。夕方にはホテルでシャワーを浴びて、おしゃれをして話題のレストランやバーに行く。なんて最高だと思います! ハイキングは初心者でも楽しめるところが多いです。レンタル自転車で街散策、ショッピングもかなりおすすめ! アウトドアショップも大きい!
都会的な刺激と自然な癒しの両方楽しみたいあなたはバンクーバーに決まりです!

[バンクーバー島]

BC州の州都ビクトリアがある大きな島です。ビクトリアは、バンクーバーに比べると小さい街ですが、英国の影響を受けた街並みやゆっくりした空気が心地いいです。ハイキングコースもたくさんありますが、コース自体はワイルド度がやや上がるので事前の情報収集が必要です。沿岸部のトレイルは日本にはあまりないのでチャレンジする価値あり! 歩くのに自信がなければ、街の周辺だけでも美しい散歩ができます。
過ごし方のおすすめは、アウトドア上級者ならレンタカーで郊外キャンプもいいですね。キャンプがちょっと…なら、他の小さな島にフェリーで渡るのもおすすめ。そして是非経験して欲しいのはゾディアックというゴムボートでのホエール(シャチ)ウォッチング! 海からの素晴らしい景色も楽しめます。

[ウィスラー]

スキー場で有名な山岳リゾート地です。豊かな自然が広がる山間に整備された街並みは、バンクーバーともビクトリアとも違う雰囲気。山もアルプス的になるので、山岳風景がお好みな方にぜひ。ゴンドラで山頂付近まで一気に登ることができ、誰でも手軽に山々が連なる風景と空気のなかに飛びこめます。高山植物もきれいですよ。
おすすめの過ごし方は、コンドミニアムタイプのホテルでプチ・カナダ暮らしを楽しみながら、毎日山上ハイキング! 下山したら、アウトドアのカフェやバーが並ぶビレッジで早速「カンパーイ!」 ハイキングのほかにも、乗馬やカヌー、マウンテンバイクやゴルフなど、さまざまなアクティビティを欲張りに楽しむのがおすすめです!

[カナディアン・ロッキー(ヨーホー国立公園&クートニー国立公園)]

もうここは言わずもがなの山岳観光地!「ザ・カナディアン・ロッキー!」と叫びたくなるような迫力のある山々が連なっています。なかでもヨーホーとクートニー、ふたつの国立公園は比較的観光客が少なく静かな場所です。ゆっくりとハイキングを満喫することができます。道路付近以外はまったく手つかずの大自然! やはりこれがいちばんの魅力ですね。
おすすめの過ごし方はもうズバリ毎日ハイキング! 初心者でも歩けるトレイル、経験者も充足感があるトレイルなどバリエーションもたくさんあります。まるごとの大自然を感じて歩いて欲しいです。ただ、ワイルド度はかなり高いので、自然や野生動物に対する知識やマナーが必要。出かける前にビジターセンターなどに寄ってコースについて勉強するようにしましょう。日本よりガイドウォークも定着しているので、心配なら気軽に現地ガイドにお願いするのがおすすめ! 感動が倍増しますよ。

[オカナガン地方]

あまり日本では知られていないBC州の注目エリアです。バンクーバーとロッキーの中間くらいにある、果樹園や畑、酪農がひろがるのどかなリゾート地。オカナガン・ブランドの野菜や果物は安心でおいしい食の代名詞、ワインやチーズなども世界的に高い評価を受けています。レストランもハイクオリティで洗練されています。オーガニック、ハンドメイドにこだわった地元の小さな食堂にも立ち寄りたいところ。
おすすめは自転車でワイナリー巡り! これ最高です。今回の滞在で私はチャンスがありませんでしたが、湖を見下ろすようなハイキングコースもたくさんあるそうです。標高が低くなだらかな丘のような山々なので、ワインとチーズとバケットを持って歩きに行ってみたいものです。またそういうのが似合う雰囲気のエリアなんですよね。

以上がこの2年で私が訪れ感じたそれぞれの魅力です。どこも「また行きたい!」そう思っています。
このエッセイを通して、ひとりでも多くの方がカナダを好きになってくれますように。願わくば、ひとりでも多くの方がカナダを体感してくださいますように。
手つかずの自然が残る場所は世界中にありますが、日本から1週間くらいの休日で満足して帰ってくることのできる場所は、実は少ないと思っています。カナダBC州は日本から便利で近い手付かずの広い大自然があります。両手を広げて空を仰いで小さいことをスッキリさせたくなったら是非遊びに行ってください! いいとこですよ~。

本当に長い間、ご愛読いただいてありがとうございました。

鈴木みきプロフィール

鈴木みき
1972年東京生まれ。
山梨県・八ヶ岳南麓在住。
イラストレーター
24歳の時のカナダ旅行をきっかけに山にハマり、登山雑誌の読者モデルや山小屋アルバイトを経て、登山系イラストレーターとなる。

著書

「悩んだ時は山に行け!」
(平凡社)

「あした、山へ行こう!」
(講談社)

「ひとり登山へ、ようこそ!」
(平凡社)

「山小屋で会いましょう!」
(講談社)

「山テントでわっしょい!極める「山女子」のヨロコビ」
(講談社)

「私の場合は、山でした!
女一匹フリーター、じたばた成長物語」
(平凡社)

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