Miki’s Essay 鈴木みきのカナダのお山へGO! 第22回

キャピラノ・サスペンション・ブリッジへGO!~BC州滞在記 その17~

(photo:Jun Yanagisawa)

こちらが入口でーす

グラウス・マウンテンのふもと、「キャピラノ・サスペンション・ブリッジ」がある有料公園も、バンクーバー観光には欠かせない観光スポットです!
「サスペンション・ブリッジ」とは「吊り橋」のこと、しかし、ただの吊り橋ではありませんよ。その長さ137m、谷底からの高さは70mもあるんです。長いだけでなく、高い! 私は高いのは強いほうだと思っていますが、橋から下を覗けば「ゾワ~」っと何かが体の奥に生まれますから(それがけっこう好きなんですけど)、高所恐怖症の人は1歩も踏み出せないかもしれません。

(photo:すずき)

もちろん、15年前も訪れました。今回は再訪となるわけですが、もう一度行ってみたかった場所のひとつでした。なぜならその時の印象がとても良かったんですね、すごく楽しかった。
森の中にある公園はけっこう広くて、入口はトレーディング・ポストというお土産物屋さんや軽食が食べられるワゴンなどがあり、いわゆる観光地という雰囲気。そこからキャピラノ渓谷にかかる吊り橋が目に入ると「オー!」とみんながつい声を出してしまう迫力です。ひとりでコソリコソリと歩いていきたいところですが、そんなことはできません。往来はひっきりなし、高さ70mで人々とすれ違わなければなりません。ほとんどの人はソロリソロリと歩いていますが、たまに前方から小走りでやってくる人がいたりすると見ているこちらが肝を冷やすこともあります。衝撃的に揺れる感じはしませんが、常に大きく揺れている感じです。キャピラノ渓谷の眺めも素敵なのですが、正直おちおち見ていられないというところでしょうか。

長い長い吊り橋は立ち止まっているほうが揺れているように感じる。きゃー、揺らさないでー!

吊り橋の向こうに広がる森(マップ上部)。日本語版もあって便利!

(photo:すずき)

15年前のこと…
この橋を渡ったら見るべきものはもうおしまいと思っていた私たちは、そのあとに感心することになります。それまでの1週間、カナディアン・ロッキーで山漬け、森漬けの日々を送っていたので、バンクーバーに着いた時は街の刺激に興奮。しかし気づけばスタンレー・パークで迷子になったり、グラウス・マウンテンで雪のなかトレッキングめいたことをしたりと、無意識なのか自然を求めていたようです。しかし当たり前ですが、そんなロッキーのような大自然が街中にあるわけもなく、だからといって落胆していたのではなく「もっと」を探していたような気がします。
最初、キャピラノに行くのは、やはり名物の吊り橋がお目当て、観光地ということも分かっていて訪れたのです。自然と触れ合えるなんて期待もせずに吊り橋を渡ると…そこにはキラキラと輝く雨上がりのレインフォレストがあったのでした! 橋の向こうには森が広がっており、木道が敷かれ歩けるようになっていました。
この驚きと感動は、今回の取材でいうとマックミラン州立公園に立ち寄ったときのようです。道路の脇に突如現れ、駐車場は満杯、けれど公園内に一歩入ると空気が一変したあの感じ。思いがけず巡り逢った巨樹の森に癒されました。単にダグラスファー(米松)の原生林が好きなだけかもしれませんが、キャピラノの森も同じダグラスファーの森、おとぎ話のなかに迷い込んだような錯覚がなんとも言えません。
そうそう、今や親しき仲のバナナスラッグ(巨大ナメクジ、第6回エッセイ後半部分参照)を生まれて初めて発見したのも、ここキャピラノだったと記憶しています。木へのインパクトを抑えるための木道のおかげで景色や森の空気に集中して歩くことができ、みずみずしい森に私たちはエネルギーをもらったようにはしゃいでいました。

今回は森をゆっくり歩く時間がなかったのですが、橋を渡ると公園内にある植物や動物、環境のことに説明したパネルができていました。子供でも遊びながら学べるようになっていて英語がわからなくても十分楽しめました。
このほかにも新しいものも増えていました。そのひとつが「クリフ・ウォーク」、キャピラノ渓谷の岩壁に設置された空中遊歩道です。遊歩道というよりも垂直の岩壁にある素敵な足場…こちらも高所恐怖症の人は無理だと思われますね。最後には空中に数メートル飛び出す展望台もあるのですが、床は総ガラス張り! 靴の底の下の下までよく見えました!

最後にトレーディング・ポストに立ち寄りますと…ああ~欲しいものがたくさん~~。お店もとても大きいのですが、ベタなお土産だけでなくカナダらしい小物や先住民の作った民芸品の種類も豊富で目移りばかり。時間があまりなかったのが私にとっては良かったかも…。こうして再訪も楽しめたキャピラノとなりました。
こういう観光スポットは人によって好き嫌いがあるように思いますが、私は遊園地に行くような感覚でけっこう好きです。グラウス・マウンテンもキャピラノも定番コースとバカにしないで楽しんでみてほしいです。意外に! 意外と! なんて発見があると思いますよ。

実は15年前も同じ場所で写真を撮っていた…どうも、みなさんお久しぶりです

鈴木みきプロフィール

鈴木みき
1972年東京生まれ。
山梨県・八ヶ岳南麓在住。
イラストレーター
24歳の時のカナダ旅行をきっかけに山にハマり、登山雑誌の読者モデルや山小屋アルバイトを経て、登山系イラストレーターとなる。

著書

「悩んだ時は山に行け!」
(平凡社)

「あした、山へ行こう!」
(講談社)

「ひとり登山へ、ようこそ!」
(平凡社)

「山小屋で会いましょう!」
(講談社)

「山テントでわっしょい!極める「山女子」のヨロコビ」
(講談社)

「私の場合は、山でした!
女一匹フリーター、じたばた成長物語」
(平凡社)

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