Miki’s Essay 鈴木みきのカナダのお山へGO! 第24回

MECに行こう!

(photo:Jun Yanagisawa)

ジャーン、こちらがMECです!

(photo:すずき)

「MOUNTAIN EQUIPMENT CO-OP(マウンテン・イクィップメント・コープ)」、略して『MEC(メック)』はバンクーバー生まれのアウトドアショップです。国内の主要都市には必ずある、カナダではお馴染みの存在。日本でいうと「L-Breath」「WILD-1」などに例えられるかと思います。
ここがなにしろ楽しい! アウトドア好きはバンクーバーに来たら絶対に外せない場所です。山道具はもちろん、自転車、スキー、キャンプ、カヌー…とカナダらしい、あらゆるアウトドアスポーツのギアやウエアが揃います。ここに来れば北米の「アウトドア」の概念がきっと分かるのではないかしら。カナダ人は「僕は登山をします」「私は自転車乗りよ!」と分けて考えるよりも、「僕らはアウトドア好きなんだ」という人が大半です。彼らのなかでは「登山」も「自転車」もすべて「アウトドア」、MECの隔たりのないワンフロアがそれを物語ります。店内も広いので、見て回るだけでも1時間くらいはすぐに過ぎてしまうほど。日本では見たことのないアイテムも多いので、立ち止まっては物色、立ち止まっては物色、で全然前に進めないのです。

MEC屋上駐車場から通りを見下ろす(photo:すずき)

私はジュンさんに頼んで本店に連れて行ってもらいました。ダウンタウン中心部からは少し外れた、正直ちょっと寂れた通りでした。40周年を迎えたMECは「バンクーバーで欲しいアウトドアグッズが買えない!」と大学生の仲間数人でスタートしたお店。自然とアウトドアに親しむ人が多いカナダで、どんなにか需要があったことでしょう。
ここからは私の想像ですが…、仲間を募って店を出した当時は、きっと街はずれにしか店舗スペースを借りられなかったのでしょう。それがこの本店だとして、現在この通りにはいくつもの小さいアウトドアショップが軒を連ねています。MECの成功を中心にこのような店が集まってきたのではないかな? と思うのでした。周辺のいろんなお店ものぞいてみたかったのですが、あまり時間もなかったのでMEC 1本に絞って突入しました。

外観はやや古いですが、扉の向こうは街で入るMECと同じように真ん中に大きなキャッシャーがある明るい店内。いつもそれを左回りで行くか右回りで行くか悩んでしまう…とりあえず軽く1周するのが私のMEC流儀! 右回りで行くとギアが最初、左回りだとウエアが最初にきます。今は円高なので北米ブランドのアイテムはよりお買い得ですが、ここでの買い物は、円高とは関係なくいつもなんとなくオトクな感じで魅力です。

「あ! これは日本より安いな~」「あ、これも」と最初は日本でも扱うブランドを比べてしまいますが、そのうちにあるブランドにばかり目がいくようになります。それは「MECオリジナルブランド」! これが極めて安い!! 大型のザックで1万円しないものがゴロゴロ。しかも、それなりにおしゃれで使えそうなものばかり! う~ん、日本のショップも頑張らねば! ザック以外にもなんでもある。本当に全部安いから驚いてしまいます。きっと機能やディティールを比べたら大手ブランドには劣るのかもしれないけれど、スターターブランドとしては有難い価格帯だし、ギアやウエアを消耗品とするなら壊れるまで使って買い替えてもいいだろうし。言わずもがな興奮する私ですが、さすがアウトドア大国と見せつけられた気分でした。

自転車も犬も行き交う開放的な店内(photo:すずき)

私は友人たちのお土産にMECロゴ入りミニカラビナ、自分にはスタッフバッグ、エアピローなどをゲット。それと、これからロングトレイルに行くのかというくらいに夢中で買ったものがあります。それは「ドライフード」! 日本だと「アルファ米」の類がラックの何面にもびっしり並んでいます。お湯を注ぐだけのものと、調理する1回分の分量が1パックになっているものと、大きく分けて2種類ありました。後者は、例えば「カレー」だと1回分のスパイス、調味料、お米までもが1パックになっていて、他にはパンやケーキなども。これは調理する人にとっては計る必要もないし材料が余ることもないし、便利だろうなと思います。

私はお湯を注ぐだけで出来るものを英語の説明を注意深く読んで探しました。日本だと「赤飯」「五目ごはん」などが、こちらでは「照り焼きチキン」「ジャンバラヤ」「チーズリゾットキノコ添え」など。本当にたくさん種類があって、ワクワクしてしまいました。もしかしたら私の英語読解能力のせいで、実際食べる時に失敗する可能性もあるなと思うと違う意味でもワクワク。面白いことにほとんどの分量は1パック2人分、熊などの危険性の高い北米では、ソロではあまり行動しないということなのかな。それとも体が大きいから?

帰国して夏の北アルプス縦走時に、そのときに購入した「ジャンバラヤ」を持っていってみました。これが…美味しかった! 味がとても濃いのですが、疲れた体にはちょうど良く感じました。それに具材が大きくてびっくり!なんで日本にこのようなタイプのものが売っていないのか、残念でなりません! 作れないはずがないのに! 本当に不思議です。
そして2人分のパックはおいしかったので食べようと思えば食べられたのですが、3分の1ほどをセーブ。翌朝に水を加えてパックごとコッヘルで湯せんするように温めて、リゾット風にしていただきました。これも美味!
残りをまだ食べていないので、早くテントで泊まりながら楽しみたいなと思っているこの頃です。

MEC 40周年、鈴木も40周年…感慨深く夕陽にたそがれる鈴木(笑)

※MECは共同組合のシステムをとっており、購入に当たっては $5支払ってメンバーになる必要があります。

鈴木みきプロフィール

鈴木みき
1972年東京生まれ。
山梨県・八ヶ岳南麓在住。
イラストレーター
24歳の時のカナダ旅行をきっかけに山にハマり、登山雑誌の読者モデルや山小屋アルバイトを経て、登山系イラストレーターとなる。

著書

「悩んだ時は山に行け!」
(平凡社)

「あした、山へ行こう!」
(講談社)

「ひとり登山へ、ようこそ!」
(平凡社)

「山小屋で会いましょう!」
(講談社)

「山テントでわっしょい!極める「山女子」のヨロコビ」
(講談社)

「私の場合は、山でした!
女一匹フリーター、じたばた成長物語」
(平凡社)

★最新刊★
鈴木みきの山の足あと
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私の場合は、山でした!女一匹フリーター、じたばた成長物語

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