Miki’s Essay 鈴木みきのカナダのお山へGO! 第36回

カナダ日帰りハイクの必需品(基本装備編)

昨年のバンクーバー周辺でのハイキング、そして今年のカナディアン・ロッキーでのハイキングと出かけてきましたが、今年は日帰りハイキングの持ち物を昨年と比較しながらおさらいしていきます。

「日帰り」で用意するザックの中身は、カナダでも日本でもほとんど同じです。ただ、中身を考える際に気をつけないといけないのは、当たり前ですが日本からカナダまで飛行機で移動しなくてはいけないことと、ハイキング以外の時間もあるのでそれ以外の荷物もあるということです。

山登りの三種の神器、「登山靴」「レインウエア」「ザック」は当然必要になりますが、ここで私の経験からおすすめしたいポイントがいくつかあります。

■登山靴

靴は自分の履きなれたものがいちばんですが、このエッセイで登場するようなハイキングトレイルにはローカットまたはミドルカットの軽いトレッキングシューズが合っています。ガッチリとかたくて重い登山靴はスーツケースの中で場所を取り、ハイキングのときにしか履くチャンスがありません。私は街歩きや買い物、散策でも履けるような靴を選んで持っていっていますよ!

■レインウエア

これはカナダだから、ということはありません。今回も雨対策としてだけでなく、防寒着として着ることが多かったです。またバンクーバーのような都市でも、雨が降ったときにコレがあると便利。天気は変わりやすく、パッと降って晴れるような雨も多いので、カナディアンは傘を差さずにレインウエアを羽織るのをよく見かけます。ハイキングというより旅の必需品かも!

■ザック

日帰りでしたら20~30L台のザックで充分です。今回私はザックをスーツケースに入れて預けましたが、小さいものなら手荷物で飛行機に持ち込めるので、出発時は山の道具ではなく機内で必要なものを入れていってでもいいですね。
このエッセイでご紹介しているようなカナダ日帰りハイクでおすすめしたいのは、背面にフレームの入っていないザックです。日本では「アタックザック」「サブザック」などと呼ばれているタイプです。全体にグニャグニャで小さく畳めるものが多いです。日本の山ではあまりこれをメインに背負っている登山者はいませんが、よじ登るようなトレイルが少ないハイキングでは適していると思います。私も今回スタンレー・グレイシャー・トレイルで使いましたが、まったく不足を感じませんでしたよ! これなら街で背負っていても違和感がありませんし、ショッピングでお土産が増えてしまったときにも役に立ちますね!

(photo:すずき)

■飛行機に持ち込む荷物の注意点

アウトドア用品には、たとえばガスバーナーやナイフなど持ち込みの際に注意が必要なものも多いようです。カナダへのフライトに関しては、エア・カナダのサイト内、手荷物情報のページにも詳細が載っていますので参考に。
また、ストックを持っていく場合はスーツケースにしまうか別にして預けてください。先が尖っていると凶器としてみなされる場合もあるので石突き(先端のカバー)をして、スーツケースで預ける際に念のため申し出ておくと安心でしょう。

※機内持ち込み荷物、受託手荷物については、国別、航空会社別に細かな規定もあるので、事前に利用航空会社に確認をとっておくのが確実です。

■番外編 熊対策

カナダ独特の装備に注目してみました。それは「ベアスプレー」。熊撃退用のスプレーです。これは今回ガイドさんが持っていたのを見つけたのですが、意識して見るとほかのハイカーも腰やザックにぶら提げて持っているのを多く見かけました。サイズは殺虫剤のひと回り小さいくらいで、どこかにぶら提げられるようになっています。中身はというと唐辛子に含まれるカプサイシンが主な成分、いわゆる催涙スプレーということでしょうか。熊が万が一襲ってきたらプシューっと噴射するわけなのですが、有効射程距離は10m未満で、1缶の連続噴射時間10秒未満…。これってけっこう勇気と反射神経と冷静さを問われますよね…。
ガイドさんは使用したことがあるそうですが、私の調べた範囲では携帯はしているが使用する事態に遭遇したことはないという人が多く、少しホッとしました。カナダでは3,000円ほどで買うことができます。最近では日本でも北海道では携帯をすすめているそうです。渓流釣りなどに持つという方が増えているといいます。私も携帯に賛成ですが日本で買うとまだまだ高く、1万円ほどするのが普及に歯止めをかけていると思います。

※熊撃退のスプレーは危険品のカテゴリーに入り、機内持ち込みも、受託手荷物としてチェックインすることもできないのでご注意ください。

熊はどう猛なイメージが強いのですが、食べているものの9割は植物性です。人間を襲うときは食べようとしているわけではなく、自己防衛であることがほとんどです。それに野性の熊なら普通はこちらを気に留めないか逃げていくのが一般的で、事故のほとんどは突然近距離で出くわした場合です。一方で知能が高くしつこい性質も持っているので、一度人間に対して敵意を持ったり、はたまた人間は美味しいものを持っていると学習してしまうと繰り返し近づいてくるようにもなります。私たちが出来ることは会わないように自分たちの存在をアピールすること、テリトリーを侵さないことです。

ちなみに日本でおなじみの「熊鈴」。持っている人に会ったのは1~2人でした。実はカナダでは使う人が少ないんですよ。熊の歩く時間帯や好物の実のあるエリア、糞や足跡の痕跡、季節…カナダではこういったことを熊と長く一緒に暮らしてきて理解しているのだなぁと思いました。グループで歩くのが一般的な文化なのも、そういった意味も含まれているのでしょう。私は熊のことをよく知らないからコワイと思うだけになってしまいます。もちろん熊はコワイのですが、それだけで終わらず、もっと熊についての正しい知識を勉強することも大切なことだと思いました。

2012年度の更新は今回が最後です。
今年もご愛読ありがとうございました!
みなさま、いいお年をお迎えください。
次回の更新は1月15日です。

鈴木みきプロフィール

鈴木みき
1972年東京生まれ。
山梨県・八ヶ岳南麓在住。
イラストレーター
24歳の時のカナダ旅行をきっかけに山にハマり、登山雑誌の読者モデルや山小屋アルバイトを経て、登山系イラストレーターとなる。

著書

「悩んだ時は山に行け!」
(平凡社)

「あした、山へ行こう!」
(講談社)

「ひとり登山へ、ようこそ!」
(平凡社)

「山小屋で会いましょう!」
(講談社)

「山テントでわっしょい!極める「山女子」のヨロコビ」
(講談社)

「私の場合は、山でした!
女一匹フリーター、じたばた成長物語」
(平凡社)

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鈴木みきの山の足あと
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