Miki’s Essay 鈴木みきのカナダのお山へGO! 第45回

マウント・レベルストーク国立公園

(photo:Shinichi Yajima)

グレーシャー国立公園をあとに、トランスカナダハイウェイをさらに西へ、すぐ隣にあるマウント・レベルストーク国立公園に入りました。カナディアン・ロッキー周辺ではいちばん小さな国立公園です。ラフティングなどの川のアクティビティやマウンテンバイクなどアウトドアスポーツが盛んなエリアなのだそう。また冬はバックカントリー・スキーも人気。公園周辺ではヘリスキーやキャットスキーも楽しめるため、世界のエクストリームスキーヤーに注目されています。
ベースとなるのは公園の西の玄関口にあるレベルストークのダウンタウン。宿泊施設やレストラン、スーパーマーケットやお土産屋さんなども揃う可愛らしいところ。開発されすぎておらず、いかにもカナダの田舎町らしい趣で、アウトドアショップも小さな町ながら何軒もありましたよ。

(photo:すずき)

このマウント・レベルストーク国立公園で最初に訪れたのは「ジャイアント・シダーズ・トレイル」。名前の通り、杉の巨木のなかを歩く簡単な遊歩道です。木の根っこを傷つけないように、1周500mあるトレイルはすべて木道に整備されています。お年寄りから子供まで誰でも歩きやすいとあって、家族連れの姿が多く見られました。大きな木を見上げて、小人になった気分にもなります。

ここに広がるのは、昨年訪れたバンクーバー島などで見たのと同様のレインフォレスト(雨林)です。この旅で歩いたロッキーの山々の多くは、標高が高く乾燥した高山帯の針葉樹林でしたが、ロッキー山脈の西側のコロンビア山脈にあるレベルストークは、太平洋からの湿った風がぶつかるので雨も多く、このようなレインフォレストとなるのだそう。このコロンビア山脈があるせいで、さらにロッキーが乾燥しているのです。日本の山間部もどちらかといえば湿り気のある森なので、私たちは「どこか懐かしい」という印象でした。誰よりも喜んでいたのはガイドのNさん。ロッキーに住んでいるとこのレインフォレストが恋しくなることがあるといいます。やはり日本人は湿気にホッとするところがあるのでしょうか。

ミストをチャージして次に向かったのは、レベルストーク山。ハイキングトレイルもありますが、今回は公園の中心ゾーンにあるバルサムレイクという湖から無料のシャトルバスで山頂を目指すことに。バスの車窓に咲く花々の多さには目を奪われました。豊かな種類の花が一斉に咲いていて、お花畑のようです。バスの運転手さんのゆかいな解説を聞きながら登っていきます。

バスの終着点からは「サミット・トレイル」という山頂に登る5分ほどのコースを歩いてみました。山頂からは雄大なコロンビア川と緑に覆われたコロンビア山脈の山並みが一望できます。 岩や氷河が印象的なロッキーとはまた違う山容です。山頂からさらに奥にもトレイルが伸びていました。私はそこに誘われる気持ちを抑えて、山頂からの眺めを見つめました。
カナダ旅はもう数日続きますが、ハイキングのパートはこれでおしまい。「もっと歩きたいなぁ」山に別れを告げるとき毎回思うことです。でも、今年もいろんな山の景色を見ることができました。歩いたのはカナダのほんの一部分ですが、充実した山歩きができ大満足です!
下りはバルサムレイクの駐車場までトレイルを使って下りました。ほんの15分ほどのコースでしたが、私はロッキー山脈、コロンビア山脈に感謝しつつ勿体ぶるように時間をかけて歩きました。

(photo:すずき)

鈴木みきプロフィール

鈴木みき
1972年東京生まれ。
山梨県・八ヶ岳南麓在住。
イラストレーター
24歳の時のカナダ旅行をきっかけに山にハマり、登山雑誌の読者モデルや山小屋アルバイトを経て、登山系イラストレーターとなる。

著書

「悩んだ時は山に行け!」
(平凡社)

「あした、山へ行こう!」
(講談社)

「ひとり登山へ、ようこそ!」
(平凡社)

「山小屋で会いましょう!」
(講談社)

「山テントでわっしょい!極める「山女子」のヨロコビ」
(講談社)

「私の場合は、山でした!
女一匹フリーター、じたばた成長物語」
(平凡社)

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私の場合は、山でした!女一匹フリーター、じたばた成長物語

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